2013年6月27日木曜日

ハイレゾブルーレイを再生する簡単テクニック!


1)パソコンにブルーレイドライブが着いている場合。
おすすめの機器はTACAMのUSBオーディオインターフェースUS-366
実売16000円ほどで購入出来ます。元々は楽器やマイクを録音してPCに取り込む時のインターフェースなのですが、ブルーレイのLPCM24bit192khzをDA変換、またはDD変換出力も可能です。
ハイレゾブルーレイ再生だけでなく、itunesなどの楽曲を再生する場合もPC内蔵のサウンドボードと比べ、劇的に音が良くなるはずです。オーディオ用のDACは高価ですので、これのコストパフォーマンスはかなり高いです!
US-366にはアナログのピンアウト、デジタルの光端子、同軸端子も着いていますから、お持ちのオーディオアンプやパワースピーカー等へ繋いでいただければハイレゾブルーレイの音声のすばらしさが手軽に楽しめます。
もしパソコンにブルーレイドライブが着いていない場合も、今はUSB外付けブルーレイドライブがwindows用なら1万円以下、MAC用でも13000円ほどで購入できます。





2)PS3をお持ちの方
以前も書きましたが実はPS3はブルーレイプレイヤーとして見ても、かなりハイスペックです。写真の初期型はSACD(DSDデータ)も再生できます。
PS3のHDMI端子からはLPCM24bit192khzがアウトプットできます。光出力端子もありますが、なぜかこちらからは176.4khzまでしか出力できません。PS3の設定メニューから「サウンド設定」→「音声出力設定」でLPCM24bit192khzを選択すればOKです。AVアンプがLPCM24bit192khz対応の場合はHDMIケーブルを繋ぐだけでOKです。

対応でない場合はこんなアクセサリーを見つけました。8000円ほどで買えます。
本来はHDMIのセレクターなのですが、音声信号だけを分岐してデジタル光端子、同軸端子、アナログピン端子に出力できます。私はこれを使って同軸ケーブルを使いアンプまで出力しています。HDMIで画像はTVかモニターに、音声はオーディオにと振り分けて使います。

高価なオーディオセットが無くても手軽にハイレゾブルーレイが楽しめる機器のご紹介でした

2013年6月25日火曜日

レコーディングについて その1

イタリア紀行に収録された楽曲は全て「ump−tmp」という音楽制作ユニットによるオリジナル曲です。
ump−tmpのブログは
http://umptmp.exblog.jp/
メンバーはキーボード:岩崎健一郎、ベース:飼沼丞二の2名です。
作曲演奏も全て2人によるものです。ゲストプレーヤーとしてギター:山本サトシとフルート:伊藤和馬さんも参加してくれました。
ump−tmpの二人は様々なアーチストのサポートやゲーム音楽やCD制作に携わっており、忙しい中でこれら楽曲を録音してくれたのですが、他の仕事の合間を縫っての録音で、深夜でのレコーディングが大半となってしまいました。
ギターの山本サトシさんは私が最も尊敬するギタリストの一人です。多くの歌手のステージや、レコーディングに引っ張りだこの、とても素晴らしいプレイヤーです。どんなジャンルでも弾きこなす方ですが、今回の作品のギターの音色も、ほんとうに素晴らしいです。
 フルートで参加の伊藤和馬さんは、あのジャズフルートの巨匠ヒューバート・ローズのお弟子さんです。1曲だけの参加でしたが、すばらしい音色が画面にピッタリで、うっとりと聞き惚れてしまいます。
レコーディングは映像編集と平行して行われました。写真は某スタジオで真夜中に行われたピアノ録音の一コマです。今回は電源にもこだわって、買いそろえた秘密兵器をスタジオに持ち込みました。
皆さんベテランのミュジシャンばかりですがLPCM24bit192khzでのレコーディングは初の体験となりました。完成した作品を聞いて今回参加された、ある方が「これまで録音した自分のレコーディングで一番良い音がします」とおっしゃってくださったのが、とてもうれしかったです。

2013年6月23日日曜日

参考にしたハイレゾブルーレイオーディオ

ハイレゾブルーレイを作ろうと思い立って、調べてみると24bit192khzリニアPCMが収録されているブルーレイ作品を2つ見つけ購入しました。
1つは「驚異のデュオ/ベルリン・フィルハーモニック・デュオ」というクラシック作品。
もう1つが「ニールヤングのPsychedelic Pill」(輸入盤)
「驚異のデュオ/ベルリン・フィルハーモニック・デュオ」はブルーレイというフォーマットを利用してとにかく高音質で音楽作品を作ろうとして企画された物だと思います。「ブルーレイオーディオ」というカテゴリー名で数社から商品が出ています。
た だ今のところリニアPCM24bit192khzの音源が入っているのはこの1作品だけのようです。ただし、この作品リニア PCMも24bit192khzで録音された物では無く、1976年録音の作品です。アナログマスターテープからリニアPCM24bit192khzへ変換された物だと思います。 ただ同じ盤にリニアPCM4bit96khzも収録されていて、切替えて聞くと、その違いがはっきりとわかります。元の録音も良いので充分にハイレゾ音源を楽しむ事はできました。画像は一切出てきません。曲名のテキストが出ているだけです。容量を全てオーディオデータに割り当てるという潔いコンセプトが 「ブルーレイオーディオ」というカテゴリー商品なのではと思います。
「ニール・ヤングのPsychedelic Pill」は少しコンセプトが違う作品です。ニール・ヤング自らが今のMP3試聴中心の音楽業界の音質の悪さに憂いて、ハイレゾ作品を発表しているようです。 この作品はCDでも発売されていますが2012年発売の新作です。ニール・ヤングのこだわりは作品の解説に録音の記録が書かれていることからもわかります。ニーブのミキシングコンソールやスチューダ 827というアナログマスターレコーダを使って録音されたようです。いずれもポップスの録音では一時代を築いた最高の録音機材ですが、ProToolsを 始めとしたコンピュータを使った録音に取って変わられ、これら機材が現役で活躍しているスタジオは、ほとんど無いのではと思われます。でもニール・ヤングが こだわる最高の音はこれらアナログ録音機器の音なのでしょう。彼はスタジオで聞いているマスターの音が、CDやMP3用にデジタルに変換されることで、あまりにもひどい音になってしまうのを憂いて「Psychedelic Pill」のようにブルーレイをメディアとして使った作品を発表しているのだと思います。こちらもリニアPCM24bit192khzの音源が充分に楽しめます。けしてHifiを売りにした音ではないと思いますが、アナログ録音ならではの太い音がします。
画像はフルビデオではありませんが、うまく画像容量を使わない工夫で、昔のモノクロ映像やイメージ映像が流れます。音楽を楽しみながら映像も飽きさせない工夫がされています。
脱線しますが若い方はニール・ヤングの事はいまだがんばっているロック界の重鎮ぐらいにしか知らないとは思いますが、彼は伝説のロックグループCSN&Y(クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)のメンバーでした。実は私がこの世界に入ったきっかけとなったのはCSN&Y を聞いた事からです。映画「ウッドストック」を見た衝撃は今でもはっきりと思い出せます。CSN&Yにはどっぷりはまりましたが、一番はまったのはメンバーの中ではスティーブン・スティルスでした。
話を戻しますが、ニール・ヤングほどの年齢のミュージシャンが時代に先駆けたハイレゾ音源作品を発表したのは、うれしくも有り、私もチャレンジしてみようという励みになりました。ニール・ヤングこれからも末永くがんばってください!

2013年6月21日金曜日

ちょっとだけよ!

YouTubeにハイレゾBlu-Rayシリーズ第1弾「イタリア紀行 Viva Italia」の予告編をアップしました。当然 YouTubeにはブルーレイと同じ画質と音質でアップはできませんが、他のムービーと比較していただければ、元素材の高画質と高音質の一端が垣間みれるのではないでしょうか。Blu-Rayを再生した感動は、こんな物ではありません。製品にはもっと美しい風景がたくさん出てきます。どうかお楽しみに!

ハイレゾブルーレイに立ちはだかる壁 その3

24bit192khzのLPCMでBGMを収録しようと決めたのは良いのですが、弊社のストックBGMにも、販売されているBGMにも、もちろん24bit192khzのLPCM音源などはありません。音楽制作も私たちの仕事の一つですので、それなら作ってしまおうということになりました。(結構思いつきで決めてます)これがまたとても大きな壁でした。
「世の中に無い=無いのには理由がある」というわけです。ご存知のように今や音楽制作にはパソコンやデジタル機器は欠かせません。もちろんハードウエアだけでなく、ソフトウエアも必要です。これら音楽制作に欠かせないハードウエア、ソフトウエア、プラグインソフトも、まだ24bit192khzのLPCMに対応している物が少ないのです。
 例をあげれば、これまで弊社が様々なCD制作やゲーム音楽制作に使って来たYAMAHA デジタルミキサーO3D、とても優れており気に入っていましたが、このミキサーは内部処理サンプリングレートが24bit48khzです。CDは16bitサンプリングレート44.1khzですので充分なスペックです。
ただ今回のように収録からマスターまでを24bit192khzのLPCMを目指すには、このミキシングコンソールを通したら意味がありません。愛着はありましたが、置いておくスペースも無いので、まずはミキシングコンソールを買い替えるところから始まりました。もちろんこれだけではありません。PCと楽器やマイクを繋ぐオーディオインターフェースに始まり、DAWソフトウエア、突き詰めれば電源や各種ケーブル類まで、ハイレゾ音源録音では余計にこのあたりの微妙な周辺機器が音に影響することがわかりました。既に制作を決め踏み出してしまった後ですが、正直少し後悔しました。こんなに投資をしてしまって回収できるだろうか・・・?
でも、もう後戻りはできません。誰もやっていない事を形にし、それが皆さんに支持されれば、クリエイターとしてこんなにもうれしい事はありません。ぜひ一人でも多くの方にこの作品を見て、聞いてほしいと思います。

ハイレゾブルーレイに立ちはだかる壁 その2

24bit192khzのLPCMでサウンドデータを収録しようと決めたのは良いのですが、次に立ちはだかったのは、ブルーレイの容量の制限でした。
ブルーレイディスクは片面1層のもので25GBのデータが収録できます。4.7GBのDVDの5倍以上ですね。とはいえ24bit192khzのLPCMはサウンドデータとしては、とてつもなくデータが大きいです。今回の作品は約75分ですが24bit192khzのLPCMのサウンドデータは約5.2GBもあります。
そのうえ24bit192khzのLPCMはブルーレイ企画のオプション扱いですので、全てのユーザーが再生できるわけではありません。作品としては同じサウンドを24bit96khzのLPCMでダブって持つ必要があるのです。
しかも今回の作品ではBGMの他に撮影時に現場で収録された自然音を入れたいと思いました。
ユーザーが画像と一緒に再生したい音を、メニューから自由に選択できるようにしたかったのです。
1)BGMだけ
2)BGM+自然音
3)自然音だけ
の切り替えです。これを全て24bit192khzのLPCMで収録し、バックアップ用に24bitp6khzのLPCMを入れると、それだけでブルーレイの容量を超えてしまうことになるのです。
画質との調整もありましたので、何度も思考錯誤することになりました。文字にすると「試行錯誤」の4文字ですが、最適値に落ち着くのに約1ヶ月要してしまいました。
最終的に作品に収録したサウンドは4チャンネル(各ステレオ)を切り替える方式となりました。
1)BGMだけ24bit192khzのLPCM
2)BGMだけ24bit96khzのLPCM(通常のプレイヤーなら必ず再生できるので、これをデフォルトにしました)
3)BGM+自然音 Dolby AC3
4)自然音だけ Dolby AC3

残念ですが3)と4)は容量の関係と再生ビットレートの関係で非圧縮リニアPCMにできませんでした。Dolby AC3の圧縮音源になっています。(これでも充分良い音ですが)
ただこれにより1)から3)を切替えて比較再生していただくことで、24bit192khzのLPCMの音のすばらしさが、はっきりわかっていただけるのではと思います。
是非聞いていただけたらと思います。お楽しみに!

2013年6月17日月曜日

ハイレゾブルーレイに立ちはだかる壁 その1

次に気になったことは、ネットオーディオがやっと話題になって来たとはいえ、ブルーレイプレーヤーが24bit192khzのLPCMに対応しているのかということでした。あれこれ調べると、どうもPacasonicのフラッグシップ機DMR-BZT9300という機種と、アメリカ製ながら日本に代理店があるOPPOというメーカーのBDP-105JPという機種は再生した24bit192khzのLPCMをアンプにデジタル信号で出力可能ということがわかりました。
しかしどちらの機種も都内量販店にも再生できる環境での展示がありません。私は両社のサポート宛にこちらの素性を名乗り、こういったコンテンツを作っているので、ハイレゾブルーレイ機器普及の為にも再生テストに協力してもらえないかのメール(サポートフォームからですが)を送りました。
大手家電メーカーのP社からは製造は子会社なのでそちらに問い合わせてくれとの返信メールがありました。しかしそちらの会社のサイトのサポートページからたどると、元の私が書き込んだサポートサイトでした。(たらい回し・・・涙)
これはダメだとあきらめ、小回りが利く事を祈ってOP社サポートページから依頼の書き込みましたが、こちらは無しのつぶてでした。
弊社が有名メーカーでないのが原因なのか、私の文章力が足りないのか?
 他を当てにするのはやめ、過去の機種も含めブルーレイプレイヤーをあれこれ調べた所、以外にも古い機種でも対応している機種がありました。灯台下暗しで6年ほど前に買った自宅のP社ブルーレイレコーダーでLPCM24bit192khzブルーレイが再生できたのです。取り扱い説明書を読むと再生できるスペックが24bit192khzとなっておりました。ただデジタルアウトがついて無い機種なので、あくまでブルーレイレコーダ内のDAコンバータにより、アナログに変換された音の再生とはなりますが、とにかく音は出ました。
あれこれ調べるとプレイヤーには
1)24bit192khzでも自動的にダウンコンバートしてデジタルで再生出力可能。
2)24bit192khzは再生できない。
3)プレイヤー内のDAコンバータでアナログ化して再生可能。
4)24bit192khzでデジタルのまま再生出力可能。

などの機種があることがわかりました。メーカーによってはこのあたりのスペックが全くカタログや取り説に書いてないものもあります。
まだ4)の機種は少ないですが、P社の2万円前後の廉価版新商品2機種も対応しているようですので、これから私の作っているような作品が一般的になれば、他プレーヤーメーカーもハイレゾ音源再生に対応してくるのではと思われます。

自社製品をテストする為に、4)対応のリファレンス機を1台は購入しなければと思い、いろいろな機種を調べました。P社のフラッグシップ機はたぶん最高なのでしょうが、実売価格が24万円以上します。
後に詳しく書きますが、録音機材などにお金を使い果たした後なので、悩んでいたところ、ブルーレイ再生テストに使っていたゲーム機PS3(初期型)がなんと24bit192khzのデジタルアウトが出来る事が判明しました。PS3(初期型)はSONYが社運をかけて?開発しただけあってSACDも再生できるなど、オーディオ回りのスペックもかなり優れています。
ただなぜか付属している光出力端子からは176.4khzどまり(44.1khzの4倍アップコン用だからか?)です。しかしHDMI端子からは24bit192khzのデジタルアウトが確認できました。このPS3を制作用のリファレンス機として進める事を決めました。

誰もやってないのにはそれなりの訳がある?


ハイレゾ音源を収録したブルーレイを作ろうと思い立ったのは、ちょうど高画質の映像素材でブルーレイを作るという話のタイミングを同じくして、ジャズ評論家のN氏の自宅にお邪魔して、ハイレゾ音源をネットオーディオシステムで聞かせていただいたのがきっかけです。
ハ イレゾオーディオをいろいろ調べたら、パッケージで販売されているのがほぼSACDだけで、それもご存知のようにSACDは下火になっている状況です。 ネットオーディオ関係の雑誌を買い集めてみましたが、コンテンツ販売は一部の配信サイトのダウンロードが中心ということがわかりました。

ブ ルーレイビデオの規格を調べてみましたら、オプションとはいえ、なんと24bit192khzのLPCMが収録できるではないですか!どうせ高画質ブルー レイを製作するなら24bit192khzのLPCMハイレゾ音源を収録した作品にしよう!と勢いで決めてしまったのがきっかけでした。
でもそれがこんな苦労する事になるとは・・・・思いもよりませんでした。
他が誰もやって無いから面白い=やってないのにはそれなりの訳がある。
と後から気がつく事になるのです。

写真は7月26日発売予定で進行中の第1弾「イタリア紀行 Viva Italia」です。

2013年6月15日土曜日

はじめまして!

はじめまして! フリーダムスのKAIKOです。
今7月末の発売を目指して、ハイレゾ音源リニアPCM24bit192khz収録のブルーレイビデオディスクを制作中です。もちろん映像も美しいです!
他にお手本となるタイトルが無い、全く新しいチャレンジですので、手探りでの制作です。
何度も壁にぶち当たりながら、大変な毎日ですが、完成までの詳細とハイレゾブルーレイの素晴らしさをお伝えしたいと思います。また参考にさせていただいたハイレゾ作品なども紹介させていただきます。